水色の扉

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それは、突然の出来事であった。 学校から帰って来ると、円形をしたちゃぶ台の上に、一通の紙が二枚折りに置いてあった。 私はなんだろう?とその紙を拡げて見ると、開いた口が閉じれなかった。 内容は以下である。 『ユリちゃんへ、お父さんたちは大量の借金をしてしまい、夜逃げをする事に決めた。ユリちゃんは、以下の住所に行ってくれ』 はぁ?借金?夜逃げ!? 信じられなかった。 今まで暮らしていた生活が一変した時であった。 私は、紙に書かれた住所の場所に行くと、そこは…『雪月華』と書かれた喫茶店だった。 喫茶店? もしや、ここで喫茶難民をやれと。 私の頭が真っ白になったその時である。 燕尾服を纏った男がこっちに近づいて来た。手には塵取りとホウキを持っている。 多分、ここの店員かもしれん。長い時間ここに立ち過ぎたかもしれない。 「あれ?君、姫ちゃんだよね?」 「え?」 「花咲黒百合姫ちゃんだよね?ご両親から聞いているよ。仮保護者の『月影 夜』といいます」 えええっ!! そう、私を保護していれるのは月影家であった。 つまり、この喫茶店は月影家が経営しているお店だったのだ。
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