『絶望:淀』～放課後小説より～

前作までのあらすじ

一年と幾日の沈黙を破り、芸能界に復活を果たした土下座アイドル(通称・ドゲドル)の糸色望。
彼の土下座には定評があり、多くのファンがコンサートホールに押し寄せた。
握手会ならぬ土下座会では行き過ぎたファンによるジャンピング土下座の嵐。
嵐を呼ぶ男と称された望はある日の朝、関東土下座組からのスカウトを受ける。
ドゲドルから一変、土下座ヘルパーとして老人ホームで働くこととなり三ヶ月、筋肉質のアラフォーから求愛される。
「アナタのおむつも替えてあげるわチェリーボーイ！」
決死の思いで土下寝をするも時、既に遅し。
「マウントポジション！」
寝技に追い込まれ、身ぐるみを剥がされる望。
その時、天国に逝っていたおじいちゃんの言葉が蘇る。
「ベッキーって、どっち！」
ぶっちゃけどちらでもいいけど、可愛いにも程があるとか言って大して可愛くもな…これ以上は怒られそうな雰囲気なので胸に秘めると心に決めた望に貞操の危機が。