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「何!?かわしただと」
兵士は明らかに同様していた。絶対かわせないと思っていた一撃をかわされたのだから。目の前で立ち上がった青年を睨み付ける。
「はぁっ・・・・はぁっ」
だが、そんな睨みよりも苦しそうに肩で息をしながら、ユータは倒れないようにこらえていた。
(いきなり晶術を使いすぎたな。普通いきなりあんなに使ったら馴れないお前の体が持つわけないだろう)
ジェイガンの皮肉も小さく聞こえる。
これが…晶術。便利だし凄いけど…ユータは少し恐怖を感じた。
「うぉぉぉ!」
しかし、敵は待ってくれない。
次で倒す。そんな覇気を感じさせるような迫力で兵士斧を構えつつ迫る。
「ひぃっ」
後ずさるユータ。
ジェイガンは叱咤激励しようとしたが、すぐにやめた。
「へ、下手でも、ビビりでも!」
擦り下がった右足をジリッと前に踏み出すユータ。
「それなりの戦い方があるんだ!コンチクショウ!」
叫びながら振り下ろされた斧を危なげに受け止めて見せた。
相変わらずへっぴり腰で声は震えたままだが、瞳だけはまっすぐに兵士を見ていた。
なにかが吹っ切れたようだ。
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