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?「おはよう、千駿」
取っ組み合いの喧嘩を始めた明日香と綾音を置いて、教室に入った俺に、一人の優男が近づいて来た。
千駿「おはよう、尊史」
―須藤尊史
スポーツ万能のイケメン。
しかも、それを自慢する事もなく、面倒見もいいという、天から二物も三物も与えられた、俺の幼なじみだ。
尊史「あれ、綾音はどうした?
一緒に居ないのか?」
千駿「いやほら、アレだよアレ」
尊史「ああ、アレか。
まったく、綾音も困ったもんだな。明日香ちゃんをからかっても仕方ないだろうに」
?「いやいや、明日香君をからかうのは、面白いよ。一度やると病み付きだ」
そこに、綾音が入って来た。
当然、角は折られていない。
綾音「なにより、明日香君をからかうという事は、千駿君の困った顔が見られる、という事だ。
どうだい、なかなかに魅力的だろう?」
尊史「おお、それは魅力的だ」
千駿「ちょっと待て。なんでそんな事に魅力を感じる。
と言うか綾音。お前、それじゃあまるで、俺を困らせるために、明日香をからかってる様に聞こえるんだが?」
綾音「ははは、馬鹿だなぁ千駿君は。
まるでじゃなくて、その通りだよ」
千駿「なんでだよっ!!鬼かお前はっ」
尊史「いや、鬼だろ」
綾音「ああ、鬼だ」
千駿「そうだったぁぁぁぁぁぁっ!!」
そうやって、俺達が駄弁っていると、教室に一人の男が入って来た。
綾音「あ、鹿嶋先生、おはようございます」
綾音が、男に気づいて挨拶をする。
俺達の担任の鹿嶋先生だ。
鹿嶋「おはよう天王寺。さあ、授業を始めるから、さっさと席に付けよ。今日は昨日の続き、人鬼大戦の始まりと、その終末。
そして、そこから始まった人と鬼の共存について話すぞ」
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