3人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
記憶にあるのは、とにかく赤い空と、何もない大地。
そこを、ひたすら歩いていた。
聞こえてくるのは、死に行く人々の怨嗟の声。
―どうして自分なんだ!!
―理不尽だ!!
―なんで死なないといけないんだ!!
代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!代われ!カワレ!カワレ!カワレ!カわレ!カワレ!カワレ!かワレ!カワれ!かワれ!カワレ!カワレ!
―生きてる者が居るならば、自分と代われ!
死者の声なき声が、俺に襲い掛かる。
何度も何度も、倒れてしまえ―
楽になれるぞ、と。
そうして、俺は倒れた。
別に、声に負けた訳じゃない。
純粋に体力の限界だっただけだ。
―ああ、俺、ここで死ぬのか…
それは、確信だった。
この地獄に、救いはない。あるのは、圧倒的な死だけ。
今、ここで目をつぶれば、確実に死ねるだろう。
だから、そうした。
もうこれ以上、こんな地獄を見たくなかったから…
最初のコメントを投稿しよう!