星月夜に君を想うこと

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ふぅと息をつき、顔を上げれば、漆黒の夜空には、目が痛くなるほどたくさんの星が、所狭しとさざめいていた。 『…どうして私の名前を知ってたの?ねぇどうして、あの時泣いていたの…?』 あれから何度も尋ねてみたが、その度に上手くはぐらかされて、本当のところは結局、分からずじまい。 先生が死んでしまった以上、その答えが分かる日は、もう二度と来ないと言うのに。 溢れる涙で星が歪む。 そうやって目に映る世界は、まるで光の洪水だ。 『天国みたい…』 けだるげに一言、そうつぶやいて、倒れ込むように柵に寄り掛かった。 『私、もう、疲れちゃった。そっち、行っちゃだめ…?』 向こうにはパパもママも弟もいる。 みんなで一緒に暮らせたら、それより幸せなことはないではないか。 生きていたって、ただただ苦しむだけなのに、それでも耐えて生き抜くことが美徳なのだと、この星の人間は説くけれど。 ぬくぬくと、幸福という暖かな毛布にくるまっているような人間に、そんなことを言われたとして、果たしてそうでない人の心が動くのだろうか? いくら美辞麗句を並びにたてられようが、大切なものを失った人間の、空虚な心の穴は埋められない。 そんな風にして、これから先の人生もずっと、苦しみ続けて生きていくのだと思うと、ぞっとした。 …それならいっそのこと、死んでしまう方が楽ではないか。 たった一瞬の痛みさえ、我慢すればいい。
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