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―綾乃Side
次の日の朝。
昨日の約束通り孝海が迎えに
きた。
そしていつものように孝海は
たくさん喋り、私はそれに
相槌をうつだけ。
学校につくと。
思わずため息が出そう。
刺さるような視線と、言葉。
『あの二人付き合ってるの?』
付き合ってない。
『佐伯君、狙ってたのにぃ。』
どうぞ狙い続けて下さい。
これだけ好き勝手なことを
言われてるのに隣にいる彼は。
「おはよっ。」
可愛いと定評の笑顔で挨拶。
「…先、行くから。」
「えっ、綾乃っ?」
付き合ってられない、と歩く
速度を早くする。
後ろで孝海の声が聞こえた気が
したが、無視。
はぁ、とため息をつきながら
教室から視線。
はぁ、とまたため息を吐いた。
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