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幼なじみがいる。 彼はいつも中心にいて。 明るい性格、高い背、なのに 子犬みたいな可愛さ。 誰からも愛されてて。 正直、羨ましさを通り越し。 「あーやーのっ!」 果てしなく、うざい。 「……。」 「あーやの?綾乃ー?」 「…何?」 やっと返事したー、と明るく 言う彼は幼なじみ。 佐伯 孝海(サエキ タカミ)。 一つ年下。 中学三年生。 「朝からうるさい。 なんで早起きなのよ。」 「んー、綾乃に会いたくて!」 ふーん、と流すと拗ねながら 私の後をついてくる。 「俺ね。綾乃の高校行くことに したんだよ! 三ヶ月後、よろしくね、先輩っ。」 え?とか言う暇もなく。 ぶんぶん、手を振って彼は中学の 門をくぐっていった。 三ヶ月前の出来事だった。 .
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