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「じゃあ俺、そろそろ帰るね。」
孝海はそう言うと立ち上がる。
「ん。」
それだけ言うと私は玄関まで
孝海を送る。
「あ、明日、俺やることあるから
先行っちゃうんだ。ごめんね。」
「うん。」
「寂しくないのー?」
「…うーん。」
寂しいような寂しくないような。
孝海はちょっと拗ねた顔。
「じゃあまた明日!
おやすみっ。」
「ばいばい。」
近所迷惑な声だなー、と思い
苦笑しながら手を振ると。
「かわいっ。」
ちゅ、と頬でリップ音。
「ふ…ぇ?」
孝海は物凄い笑顔。
「えへへ。綾乃のほっぺに
ちゅーしちゃった。
ばいばーい。」
そう言って走り去っていった。
「ほっぺ、ちゅー…。」
孝海の言葉のまま言って。
微かに顔が赤くなった。
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