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そして今現在。 入学式。 私、こと。 福永 綾乃(フクナガ アヤノ) 高校ニ年生。 完全に目が点です。 『新入生代表、佐伯 孝海君。』 はい!という聞き慣れた声に 眩暈さえした。 本当に私の高校に来てる! なんで、どうして! 「綾?具合悪い?」 俯く私に唯一の友達と言っても 過言ではない女の子。 矢野 有紀(ヤノ ユウキ)が 聞いてくる。 悪い。 凄く、悪い。 「…精神的に辛い。」 「うん、辛そう。 見てて分かるもん。」 いや。 よく『無表情』よく言えば 『ポーカーフェイス』と 言われる私の表情の違いを 読み取れるのは有紀くらいだよ。 再び目線を壇上にあげれば、 孝海の姿はもうなかった。 .
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