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―綾乃Side
放課後。
いつものように孝海が
迎えに来てくれる。
どこか楽しみにしていて。
でも少し気まずい。
「帰ろ?」
「ん…。」
孝海はいつもの笑顔。
「あ、ねぇ、公園行きたいっ!」
家の近くの公園の前で、
くいっ、と袖を引っ張られる。
やっぱりまだ子供だな。
苦笑いしながら頷けば孝海は
公園へ駆け出しぶらんこに
飛び乗る。
私も隣のぶらんこに座る。
「俺ねー本当に綾乃が好きっ!」
その言葉に驚いて隣を見上げる。
太陽を眩しそうに見つめて。
キラキラしてる孝海がいる。
「大好きだよっ!」
孝海はぶらんこから飛び降りる。
「明日から一週間、会えない。
だから今のうちに好きって
言っといたからね!」
そう言うと走り去っていった。
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