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―悟Side
あの馬鹿!
俺からお前の足で逃げれるとか
思ってんのかよ!
「おい有紀、待てよ!」
「ついてこないでよ、この
ストーカー!」
「てめっ…ぜってー捕まえる!」
大声でそんなこと言ってる
俺達は注目の的。
階段を駆け降り、裏庭に
ついたあたりで。
やっと有紀に手が届く。
「つか、まえた…。」
息、結構あがるな。
「おい馬鹿有紀。
なに、言い逃げしてんだよ。」
あんな表情して。
悲しいような怒ってるような。
そんな表情して。
「なんで追ってくるの…。」
そう言う声は掠れてて。
俺まで、悲しい。
「好きな女が泣きそうに
なりながら逃げれば普通、
追い掛けるだろーが。」
そう言って有紀の頭を撫でれば。
ぽかん、としたアホ面。
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