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「ふっ、なんつー顔してんの?」
そう笑ってやれば焦った顔して。
「だって、悟がっ、私のこと!」
「好きって言ったけど?」
また真っ赤な顔。
あーホント可愛い。
「ずっと好きだった。
俺じゃ、駄目?」
そう言えば有紀は俯いて。
「…悟こそ、私でいいの?」
ちらり、と上目使い。
「悟は綾が好きだったんじゃ
ないの?」
「はぁ?なにそれ。」
「だって綾にはいつも優しいし。
私にはいつも意地悪だし…。」
あー、と言葉を濁す。
「好きな奴はいじめたく
なるんだよ。…悪かったな、
小学生みたいで。」
絶対に顔赤いな、俺。
案の定、有紀はくすくすと
笑いだして。
「私も悟が、好きだよ。」
可愛い笑顔でそんな言葉を
くれたのだった。
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