君が好き,

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君が好き,

黒のPコートに 黄色いマフラーをなびかせて 君は颯爽と現れた。 そして 僕の姿を見るなり 目を細めて 怪訝そうな顔を浮かべたので, 僕は慌てて煙草を捨てる。 君は煙草を酷く嫌うので 僕は仕方なく君に従うのだ。 そして慌てて笑顔を作ると 君はにやりと笑って 左足で煙草を踏み消しながら 僕にキスをした。 『自然破壊反対。』 君はそう言うと 煙草を拾って 僕の缶珈琲の中に捨てた。 それから 君が僕の右側に腰掛けると 長いキスをした。 ボーイッシュな君は キスをする時 誰よりも女の子らしい顔をした。 僕はその顔がとても好きで キスをしながら たまに目を開けると, 君と目が合って お互い照れ臭そうに微笑んだ。 僕が好きだったのは シンプルなスニーカー 黒のPコート 黄色いマフラー 薄茶色のショートヘア 微かに漂う甘いバニラ ボーイッシュな君の 女の子らしい表情。
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