我が友よ永遠に

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青ざめた顔をした永倉は飛び起きた。 先程まで賑わっていた道場の中は空っぽになっている。 「すみません!稽古中に居眠りなどしてしまって」 「いやいや、君にはとても働いてもらっているからね。少しぐらいは良いさ」 近藤はその場に胡座をかき、にこりと笑いかけた。 その笑顔だけで嫌な事が吹っ飛ぶ。 「君は、道場に通う者からも人気があるよ。腕は立つし、常識、礼儀もある。」 「そんな、自分は当たり前の事をしているだけです。」 「そうだね。私の目は間違ってはいなかったようだ」 ゆっくりとした口調が心地よい。 「自分も、近藤様に拾っていただいて、とても感謝しております」 近藤は顔を赤らめた。
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