残酷な運命

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「お願い・・・こんなことやめてよ・・」 そう言ったこの人こそ、私の愛していた人。 咲は、体育館倉庫の中にいた。 「奏様は、あなたに傷付けられたのよ!!」 「このぐらいの仕打ち、あって当然」 私の取り巻きである美香と彩が口々に言う。 そして私達は倉庫の鍵を閉めて、何もなかったように教室へ向かう。 ドンドン ドンドン 「開けてよ!!ねえ開けてってば!!」 「放課後、気が向いたら鍵を持って来てあげる」 ドンドン 「待って!開けて!お願い!!」 ドンドン 「フフフッ バイバーイ」 彩の笑い声は、私の気に障る。 悪人の笑い方そのものに思えてしょうがない。 実際に私達は、悪人なのだけれど・・・。 ガチャン 体育館の扉を閉めてしまえば、中の音は聞こえない。
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