九月二十一日 10 覚醒

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「明美さん!!」 「急いで!!」 「急いでったって……どこに逃げるつもりですかっ!?」 「とにかく逃げなきゃ死ぬわよ!!」 明美はとにかく入れて鍵がかけれる場所……自分の客室である101号室を目指して走った。 急いで中に入ると鍵をかけてその場にへたりこむ明美を見て、友永が話し掛けた。 「はぁ……はぁ……だ……誰なんすか?さっきのは」 「……」 「明美さん?」 「……さと……ん」 消え入りそうな声で呟く明美に、友永が聞き取れないと再度聞き返すと 「渚と松本さんよ!!」 明美は目に涙を浮かべていた。 友永はそんな明美を見て、それ以上は何も言えなかった。
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