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「やっとついたなぁ。」
小太りメガネの男が背負ってた荷物を床に置いた。
一見根暗な印象の男が小太りメガネの男に話かけた。
「葛西先生、こんな所に封筒がありますよ。ひとつ選ぶみたいですね。」
「川喜多先生、僕の分も選んでもらえるかな?今は動きたくないんだよ」
そう言い葛西はその場に座り込んでいる。
少し遅れて女性が館内に入ってきた。腰ほどまである真っ黒な黒髪は乱れていて一瞬リングの貞子かと思える容姿だ。
「ちょっと葛西先生、そんなとこに座り込んじゃって。大丈夫ですか?飲み物有りますよ。」
「平井さん、さすが看護士だけあって気が利くなぁ」
どうやら医者と看護士の一団の様だが平井の姿に省吾は白衣の天使とは程遠いなと思った。
「ん?」
座り込んでいた葛西が上を向いた際、3階から見ていた省吾と目があった。
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