五月三日

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渋滞区間をトロトロと進むにつれ事故現場が見えてきた。 最初に気付いたのは美咲だった。 「先頭の車ってうちらの前を走ってたトラックじゃん」 「確かそうだよ」 義人が続いて相槌をうつ。 「休憩しなかったら巻き込まれてたな」 徹が恐怖を隠せないでいる。 その時、玉突き事故をした内の一台が爆発した。その瞬間にガシャーンと車の窓ガラスが割れ何かが車内に飛び込んできた。 「うぎゃああああ!」 社内に悲痛な叫びがこだまする。 「徹!大丈夫!?」 中間座席に座っていた徹の腕に爆発した車の部品が突き刺さっていた。 もし席替えをしなければ省吾がそこに座っていたはずであった。
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