片足のない骸

海苔と畑

「敦子！お母ちゃんのことそんなん言ったら駄目じゃよ！」
千寿は敦子をたしなめようときつい顔をした。
「千寿姉ちゃんはええよ。お人形さんのように綺麗な顔してるもん。お父さんに似たんじゃろか。あたしはお母ちゃん似じゃからだんご鼻に顔の形が大福餅みたいじゃって、こないだ酒屋のケン坊にからかわれたんよ」
敦子は思い出して悔しくなったのか涙ぐんで言った。
「大福餅て可愛いじゃないか。ケン坊は敦子をからかってるだけよ。敦子が可愛いからからかいたくなるんよ。今度言われたら言い返しちゃれ！この鼻たれ泣き虫小僧！て」千寿は優しく敦子の頭を撫でた。
千寿は兄弟４人いる中で生意気だけれど千寿姉、千寿姉とまとわりついてくる敦子が一番可愛いかったのだ。