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「そんなん畑仕事なんか気にせんでええよ!あたしが手伝うから、千寿姉ちゃんは踊りのお師匠さんになってぇ」
敦子は千寿の裾を強く掴んで言った。
千寿は微笑んで
「ありがとう敦子。でもねぇ、うちはお大臣の家じゃないから。踊りなんて贅沢すぎるんよ。それに私もお母ちゃん手伝いたいしね。敦子あんただって尋常小学校の先生に絵が上手いて誉められてたじゃない。絵の先生に習いたいんじゃない?」と聞いた。
敦子は首を振り
「女は絵なんて描けてもしょうがないんじゃと。お父さんがそう言った」と小さな声で言った。
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