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仕事のストレスを発散したかった。
PM9:00。
健吾は、駅前の飲み屋街を歩いた。
4月の初旬だが少し肌寒い。
健吾は、薄いジャケットを羽織っていた。
地方都市の飲み屋街。
色とりどりのネオンの中、派手な衣装の女たちがあちこちで呼びこみをしている。
茶髪、金髪、赤や紫色のドレス、蝶をあしらった黒いチャイナドレス、フェロモン系香水の匂い…
何人かの女に声を掛けられたが、健吾はあまり派手な女が好きではなかった。
呼び込みを断りながら通りを歩いていると、OLのようなグレーのスーツを着た女が、赤紫色の光の下に立っているのが見えた。
薄化粧が、かえって周りの女たちから際立たせていた。
「何してるの?」
「一応、仕事してますけど…」
女は微笑した。
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