始まりはいつも突然に

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こんな昼にチャイムを鳴らす奴なんて、心当たりは一人しかいない。 かける言葉を考えながらドアを開け、 「悪い。今日はもう昼飯食べてしまったから、いらな――」 「あら、貴方と食事する約束なんてしたかしら?」 「…………」 しばらく呆然。俺、石化。チェケラッチョ。イエー。 「…………い、いや、すんません。人違いです」 半ば確信に近い感じが外れたので、戸惑う。 「貴方が、設楽圭一君?」 「? ええ、そうですけど」 「私こういうものです。ちょっと社まで同行お願いします」 すると急に警察みたいに手帳みたいな紙(よく見えなかったがなんか名刺みたいだった)が出され、そして警察みたいに手錠みたいなものをかけられた。 ………………ん? 手錠?
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