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それは、ただ正体不明なだけだからな。すぐに評判も落ちるだろーよ。
「とにかく、今時の女の子はTRINITYを知らない人はいないの。でも私が冗談を言ったら設楽君は間に受けて――ふふっ」
「そういう事かい」
要するに、こいつは知ってたのだ。TRINITYがアイドルだと。
それで、わざと知らない振りをしたら、その冗談を俺が真に受けて。その落ち込み様に、に笑ったと。
こいつ、なんかあくどい奴だな。
しっかし、まあ、
「……なんか、俺の中での鳥谷のイメージが変わったな」
第一印象では天真爛漫な感じだったが、今は――
「設楽君ってTRINITYよね?」
「? いや、さっきそう言っただろ」
「それで、学校でばれたくないからその格好?」
「……ああ」
まあ、本気でこれをカッコイイと思ってやってる奴はこの時代にはいないだろ。
「と、いうことは――」
俺と鳥谷の目が合う。
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