ギャップ

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「……そうか」 「うん」 だから……そういう、ありきたりな、返事しかできない。 そしてまた、もと通りの沈黙。 サッカー部のパスを要求する声や、野球部の『ノーコン』とからかう声が寂しく響き渡るだけ。 「…………」 「…………」 俺と同じように校庭の風景を見ている鳥谷の横顔を見て、やっぱり悲しそうな顔に耐え切れなくて、 「なんでそれ、俺に話したんだ」 ……余計な事を口に出す悪循環。 「…………なんでだろうね」 自分を本当に腹立たしく思う。 苦しんでたところに、ようやく同じ境遇っぽい奴が現れたのだ。そりゃあ相談したくもなる。 それを理解せず……傷口を広げるような質問しやがって…… 「…………」 悔しさか怒りか、そんなネガティブな感情で拳を握りしめてると―― ♪~♪ 沈黙をやぶって、この場には合わないケータイの着信音が鳴り響く。
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