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「ん? なんのこと?」
仁はわかって、一輝はわからないと。
「いや、別になんも」
わからない奴にはわからないだろうよ。
「話を流すな。言っとくがな、顔でいえば一輝にはかなわないが、圭よりは俺の方がカッコイイんだ」
「はいはい」
ナルシストなんだな、こいつ。
「僕はそんなに顔よくないよ。あまりモテてないし」
お前がモテてなかったら、俺はさぞ姿を見ただけで嫌われるゴキブリのような存在だろうよ。
「とりあえず挨拶に行こうぜ。共演者とか、演奏してくれる人とかに」
「その前に圭。スタイリスト呼んで髪型ちゃんとセットして貰わないと。……その髪型ではちょっと一緒に歩けない」
茶色の髪をいじりながら、苦笑気味で話す一輝。
……この格好で堂々と学校に行っている俺の事を少しは考えて言ってくれ。
髪をセットしてもらった俺は、いろんな有名なアーティスト(めちゃくちゃ緊張した)に挨拶し、リハーサルを終えて僅かな休憩時間。
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