ギャップ

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俺は舞台裏でこっそりとウォークマンを聞きながら、パイプイスに座りゆっくりしていた。 できればサインを貰いたいところだが、みんなが普通に会話してるところに入っていくのは恥ずかしい。 というわけで、有名人を遠目で見ながら、自分が歌う曲を確認してるわけだ。 しかし、何故か緊張はあんまりしてない。 きっと、さっきの変な告白で緊張の感情を使い切ったからだろう。 ……あの時、なんて言えばよかったのかね? と、またネガティブモードに入りかけたとき、突然ポンっと肩を叩かれる感触。 そこには社長と、久しぶりに見る少女がいた。 ウォークマンを外し、挨拶。 「こんちは、社長。それと――誰だっけ?」 「ひどいです! 相島です」 相島? ……相島? 「マドンナ二世と呼ばれる相島です!」 「ああ~」 思い出した思い出した。確か焼肉屋で、これみたいなわけわからんボケをかましまくってた奴か。
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