始まりはいつも突然に

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なにが「あんたの母さんの根性なめたらいかんよ」だ。実の息子こそなめるなバーカ。2000円はこっちのもんだ。 「貴方……なんでそんな笑みを浮かべてるのよ」 「2000円貰ったら何をしようか、と」 「そ、そう」 そうだな、金がなくてTSUTAYAで借りれなかったアルバムでも借りようかね。 …………………………………………なんか、話脱線してないか? 「これは貴方がやった事なのよ」 隣にいる女性が話しかけてきた。おかげで話の内容を思い出す。 が、言葉の意味がわからない。なんだその警察が犯人にかけるような言葉は。 え。もしかしてこの人警察? 「……あなた様は警察でしょうか?」 「違います」 違うらしい。 「……はあ。だから、全部、貴方が事務所に送ってきたせいって言ってるの」 俺のしかめっ面を見て、この人は俺の心境を理解したらしく、言葉を付け足してくる。 ……が、残念。それでもさっぱりわからない。つーかわかる人がいたら、三十文字以内でメールしてきてくれ。今ならギザ10ぐらいならあげよう。 「わからない……って顔に書いてあるわね。とりあえず、社に着いたら説明するわ」 どこに書いてあるんだ。額か? でも前髪で見えないはずなのだが。
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