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それだったらどんなにいいか……。そういう状況になれるのは来世かね。
いや、来世も無理か。
「ほら、行ってきなさい!」
社長は俺の座ってるパイプイスを反転させようとして、しかし俺の体重がかかったイスにそんな事できるわけなく、右膝をポンッと叩く。
「…………わかりましたよ。行けばいいんでしょ」
仕方なく、俺は立って背後に歩きだす。
過度に期待してはいけない……だが、過度にじゃなかったらいいだろ?
前にもいったかもだが、男にはやらなければいけないときがある。
……ただ女子に話すだけで、なんで俺はこんなに覚悟しているのだろう?
俺が背後に振り返った事で目をつむった金髪少女だったが、しばらく歩くとその瞳を見せ、
しかし、こっちの方向にはトイレもあるからだろう。
俺がトイレに向かう可能性も考慮してか、何気なさそうに金髪少女は目を他のアーティストの方向に向けていた。
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