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そう思うと、何故かちょっとした笑みが浮かび、
「こんなときにリーダーかよ」
そんな憎まれ口を叩けるぐらいに、俺は何とか緊張を和らげる。
「次は期待の新人アーティスト、TRINITY!!」
女性の声が聞こえた後に、俺は記者会見とは大きく違う心境で、眩しい場所へと歩きだした。
まばゆく光るライトに目を思わず細めると、次に耳を覆いたくなるような大歓声。
『一輝く~~~ん!』
『仁くーーん!!!』
『宇佐美~!』
……何で俺だけ苗字で、しかも呼び捨て?
そう思いながらも、記者会見よりはましか、と俺は割り切ってリハーサル通りに席に座った。
俺達のトークは、4番目。
僅かな時間だが、俺には結構ありがたい。ゆっくりと座ってのんびりとしとこう。
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