ギャップ

54/84

5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
そう思うと、何故かちょっとした笑みが浮かび、 「こんなときにリーダーかよ」 そんな憎まれ口を叩けるぐらいに、俺は何とか緊張を和らげる。 「次は期待の新人アーティスト、TRINITY!!」 女性の声が聞こえた後に、俺は記者会見とは大きく違う心境で、眩しい場所へと歩きだした。 まばゆく光るライトに目を思わず細めると、次に耳を覆いたくなるような大歓声。 『一輝く~~~ん!』 『仁くーーん!!!』 『宇佐美~!』 ……何で俺だけ苗字で、しかも呼び捨て? そう思いながらも、記者会見よりはましか、と俺は割り切ってリハーサル通りに席に座った。 俺達のトークは、4番目。 僅かな時間だが、俺には結構ありがたい。ゆっくりと座ってのんびりとしとこう。
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5341人が本棚に入れています
本棚に追加