始まりはいつも突然に

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話が通じないのがわかったのか、窓の外を見続ける女性。 何となく暇、しかも何故か脱出する気が失せてしまったので、その女性をじーっと見る。 その女性はまさにミスターOL……じゃないな。ミスOLって感じで、眼鏡をかけていて、しかもスラーっとしていた。それにスーツがよく似合っている。 ……私見丸だしで言うと、敏腕秘書って感じである。 つーかこんなに立派なスーツを着てるという事は金目的じゃないのか? さっぱりわからん。 もしかして今働いているであろう俺の父は、実は血がつながってなく、もう一人の父は政治家で重要な法案を可決させようとしていて、その法案を阻止しようとこの人は俺を誘拐した!? なんて急展開はあるわけないから、安心して呼んでくれ。 ふと気になって窓の外を見る。もう知らない風景がそこにはあり、本格的にどうにもならない雰囲気になってきた。 …………まあ、なるようになるかって感じで、割り切っていくとしよう。 正直怖くなってきたけど。
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