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さらによく見ると、その金髪にもすごいツヤがあるように見える。あれは染めても無理だな、そりゃ。
……なんて一応褒めてみるが、結局一番大事なのは中身。あいつはそれが絶望的なわけだが。
と、いきなりこっちに顔を向けた三瀬と目が合う。
「…………」
「…………」
無言のまま(まあ収録中だし当たり前だが)三瀬は右手の拳から、親指を出した状態にし……
それをゆっくりと上にあげて、
ビュン
そんな効果音が聞こえてきそうなぐらいの速さで、その親指を一気に地面に向ける。
知らない人のためにいっておく。要約すると、その意味は『地獄に落ちろ』である。
……ちょっと前に言ったツンツンって言ったが、そんなかわいいキャラクターっぽい名前だと生温いな。
うん。ヅンヅンだ、ヅンヅン。なんだヅンヅンって、何かが歩いてる効果音かよ。
「――の新曲はCMの後で」
そんなこんなで、生放送とは思えない程に話が脱線してた俺は、女性司会者の声によってスタジオに帰還。
「おい。次、俺達だってよ」
隣にいた仁が、立ち上がりながら言ってきた。
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