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緊張なんか押し退けて、おもいっきりカラオケみたいに歌ったのが、2時間前あたり。
歌い終わった後に、俺の声援が増えていた気がしたが……まあ気のせいだろう。
ふっ、俺は希望なんて抱かない能力を手に入れたのだ。
…………若干、むなしい能力な気がする。
それが終わった後は、全てがあっという間にすぎて、林さんに送ってもらい、家で飯を食っている。
が、まずい。いや、飯は普通に上手いのだが。母の唯一の長所である。
そうじゃなくて、とにかく眠いのだ。
このままだと俺は睡魔に負けて、熱々のご飯の上に乗ってるねばねばの納豆に顔を突っ込んで、ヌチャヌチャとした顔で一夜を過ごす事になってしまう。
……まずは風呂だな、風呂。それで眠気を吹っ飛ばしっちまおう。
「…………」
……いや、無理だ。ご飯冷める、みそ汁冷める、魚は姉に食われて、野菜炒めは母に食われる。
あの二人は現在テレビを見てるが、俺が離れる瞬間を、目を光らせて待っているのだ。
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