ギャップ

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「なんも、ない」 鳥谷美保の秘密を思い出したとか、そういえばこいつ俺の正体知ってたなとか…… そういった感情がごちゃまぜになって、何故かちょっとひいてしまったのだ。 …………けど、そういやあこいつ、モデルなんだな。 素人目に見ても確かに他の人より身長高くて、体細くて、ほどよい胸があるというか…… 確かに、モデルっぽくある気はしないでもないな。普段モデルなんて見ないからわからんが。 「そうだよな! えっと……」 「鳥谷美保だっさ!」 ずいぶんと特殊な語尾である。 「鳥谷か! よろしく!」 「よろしくっ!」 ちょっと目を細くして見ている俺には気付かず、二人は固い握手を交わす。 ……この鳥谷と吉川は多少波長があるらしい。 まあ朝っぱらからこんなテンションについていけん俺は、見えないように椅子を離して第三者として見物。
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