ギャップ

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「は? なんだ!マークって?」 ……うん、わかってた。吉川にはこういう話題はわからんだろうなって、ちょっと思ってた。 「そんなどーでもいいことはほっといて、宇佐美の話をな――」 「だァァァっ! もう俺の話はいいから!!!」 「……別に、お前の話はしてないだろ?」 ……………………ぬかった~~~! 「……あ、その、違う。ちがう……んだ、うん。それは幽体離脱というものでだな――」 やばい、頭が真っ白だ。 ドラマでこういう場面があるときは馬鹿にしてたが、今は撤回してやる。だから助けろ、誰か。 「は? 何言ってるんだお前?」 「だから、幽体離脱はざ、た〇ちしかできないって事だよ!」 なんて言っても、結局誰も助けに来ず、俺は相変わらず訳わからん事を言ってしまう。 ……吉川の背後では、鳥谷が手を口に押し付けながら、うつむいてプルプルしていた。
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