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さて、時は回りに回って放課後。
しかも金曜とは違い、今日は軽くオレンジの雰囲気が漂った、THE放課後だ。
ようやく睡魔に誘う悪魔の声とも呼べる、わけのわからない教師の言葉の羅列から開放された俺は、机にべったり。
が、見覚えのある奴が友達などに目をくれずに廊下に出る様子を見て、鞄を持つ暇もなくそいつを追いかける。
ドアを開けて、1番見覚えのある背後の姿に一言。
「おい! 杏奈!」
腐れ縁は振り返るとあからさまにため息をつき、こっちに戻ってくる。
「どうしたん? なんか用?」
なんか用って……そういやあ今日の朝は一人で来たんだったな。
「いや、一緒に帰ろうぜ。ちょっと待っといてくれ」
「なんで?」
なんでって、そりゃあひどい言い草だな。
「いや、まあ、その……」
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