ギャップ

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そしたらどっかにたどり着く。少なくとも、俺はそうやってここに来たのだ。 今やるべき事は、この尿意を解消するべくとりあえずトイレに行くことだ。 そう考えをまとめて、気分よくドアを開けて、 ゴロン 「…………」 「……てへっ」 それはもうかわいらしい表情で、言葉を呟く母。 つーかあなた、今何歳ですか? 「……何が『なーんてな』なの?」 ……せっかくのクールな気分が、全て台なしである。 まあとにかく、俺は学習能力ともいうものが欠落してるらしかった。 「……っふぅ~」 ため息も、一体全体何回目なのだろう。 まあこの行為は、これからもずーっと何回も続いていくんだろう。 と、俺は確実に当たりそうな未来予知をして、とにかく母を立たせるために脇を掴んだのだった。
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