プロローグ

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「これから、RAIN社からの新アイドルグループ『TRINITY』の記者会見を行います!」 女性司会の聞き取りやすいが、舞台袖へと届いた。 「やっとか……。何で30分も、こんなわけわからんところで待たされなきゃいけないんだよ」 黒い短髪をツンツンにして立たせている、いかにもワイルドって顔のそいつは、少しため息混じりに告げる。 「まったくだね。これなら走らなくてよかったじゃないか。林さんもスケジュールをちゃんと確認しとかないから――」 茶髪を少し伸ばしている、爽やか系で万人受けしそうな顔のそいつは、軽く林さん(マネージャー)を愚痴っている。 「おまえら、緊張とかしないのか?」 緊張で震える声を抑えこもうともせず、俺は疑問を二人にぶつけた。 すると二人は、同じようなキョトンとした顔を見せ、 「ガキの頃からやってきたからな」 「けど、僕は若干緊張気味かな。さすがに」
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