始まりはいつも突然に

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「いや、いいわよ頭下げなくて。これから存分に働いて貰うから」 ……………………は? 「あの、もう一回言ってもらえます? ちょっと鼓膜が潰れたみたいで」 「存分に、働いてもらうから」 「…………すみません、もう一回。幻聴が聞こえたので」 「は、た、ら、い、て、も、ら、う、か、ら!」 「………………………………………………………………はあぁぁぁぁ!!!?」 息継ぎ。 「なんでですか!?」 「ほら、その紙の右下をご覧なさい」 そこには、本当に小さな文字で、『なお、これは契約書とし、受かると断る事は出来ません』と書いてある。 「こんな小さな文字せこいです! 訴えますよ!」 「ぎりぎり法には入らない範囲の大きさよ」 「…………」 さすが、この年で社長になるだけのことはある。
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