始まりはいつも突然に

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「つーか、本人が書いてないんですから、この契約書は破棄――」 「大丈夫よ。上手く仕組むから」 「仕組まないで下さい! っていうか、こういうのは普通オーディションみたいな奴でやるんじゃ――」 「時間がなかったのよ」 当然という風に告げる社長。……そういうスケジュールを管理するのが社長の仕事じゃないのか? いや、秘書か? まあ細かい事は気にしないでおこう。 「……ていうか、確かここってJr.みたいな奴、なかったですか?」 「あるわよ」 「じゃあそこから上げたらよかったじゃないですか」 「新鮮さがほしかったのよ」 意味がわからない。俺は野菜か? 「わかりなさい、設楽圭一。あなたはもうアイドルから逃れられないのよ」 「いや、そんな熱血漫画的なこと言われても」 つーかさっき心の中を読まれた気が…………まあ、気のせいだな。そうじゃないと困る。
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