始まりはいつも突然に

21/70

5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
だから俺は、最後に残しておいたカードを使う事にした。 「……俺、実はアイドル嫌いなんですよ――」 アイドル嫌いうんぬんの話をぶっちゃけるという、運任せのカードを。 「やっぱり貴方を選んでよかったわ」 何故か俺の思惑は逆効果になり、目を爛々と輝かせる社長。 …………俺の頭では理解出来ない。多分読者も同じだろ? 社長はいきなり誰かに電話。(それが俺の採用を決定した電話だとはだれが思うことか) そして急ピッチで進んだ一般人アイドル化計画。 社長はわざわざ俺の家まで来て、家族を説得(主に父)を試みた。 その結果。 「圭一が金を稼いでくれたら、ゴルフクラブもいいのに変えれるな」 スポーツ狩りの頭をした父は、悪びれる様子もなく笑顔で言った。 …………ちょっと前に父の遺伝子が多めでよかったと言ったが、前言撤回。 どっちもどっちである。
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5341人が本棚に入れています
本棚に追加