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だから俺は、最後に残しておいたカードを使う事にした。
「……俺、実はアイドル嫌いなんですよ――」
アイドル嫌いうんぬんの話をぶっちゃけるという、運任せのカードを。
「やっぱり貴方を選んでよかったわ」
何故か俺の思惑は逆効果になり、目を爛々と輝かせる社長。
…………俺の頭では理解出来ない。多分読者も同じだろ?
社長はいきなり誰かに電話。(それが俺の採用を決定した電話だとはだれが思うことか)
そして急ピッチで進んだ一般人アイドル化計画。
社長はわざわざ俺の家まで来て、家族を説得(主に父)を試みた。
その結果。
「圭一が金を稼いでくれたら、ゴルフクラブもいいのに変えれるな」
スポーツ狩りの頭をした父は、悪びれる様子もなく笑顔で言った。
…………ちょっと前に父の遺伝子が多めでよかったと言ったが、前言撤回。
どっちもどっちである。
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