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ぎこちなく記者から渡されたマイクを受け取り、俺は自らの記憶を引きずり出す。
「あ~、今日はお忙しい所お集まりいただき――」
「――では、これからどうぞよろしくお願いします」
お辞儀し、そしてまばらな拍手が鳴り響く。
なんとか自分で考えた挨拶を何回か噛みながら言い終わった俺は、しばらく治まりそうにない心臓のバクバク音を聞きながら座った。
「それでは、最後に質問に移りたいと思います。質問のある方は手を挙げてください」
ほとんどの記者が手を挙げる。というか全員だ。
中学生ん時、何かの防犯の講習を終えてからの質問コーナーで誰も手を挙げず、困り果てていた警察の人の顔を思い出した。
お前らはあの、そのピュアで純粋だった時代を思い出せ。
「はい、じゃあ……そこの人」
「あの、確か三人中一人は一般高校生から募集された筈なんですが、それってあなたですよね?」
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