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「まあ確かに。新しい門出という意味では、いつもよりは緊張してるな」
「でしょ?」
自然な笑みを浮かべながらしゃべってるお前らが緊張してっるなら、顔を強ばらせてしゃべっている俺はいったいどうなるんだ。
「では出てもらいましょう! まずはこの人、央倉仁(オウクラジン)君です!」
……もう少し心の準備をさせてほしかった。
いや、まあもしこのタイミングで時間を止める魔法が俺の中に生まれても、心の準備以前にこの場から逃げ出すだろうがな。
そんな風に考えて、心の中でタイムストップと呟いているあいだに(当然失敗)サクサクとスムーズに歩いていくのは仁。
そして、瞬く間にカメラフラッシュが叩かれた。
……ちょっとくらい気を使って、遅くしてくれても――
「さあ続いては、平谷一輝(ヒラヤカズキ)君です!」
またもや早めに出ていってしまう今度のお人は、浴びせられるフラッシュを微笑で煽って、さらにフラッシュを浴びる高等テクニックを使った。
「……はぁ」
そんな顔のいい奴だけが使える高等テクはどうでもいいから、空気を読むというスキルを覚えててくれ。
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