始まりはいつも突然に

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ノックもなしに、勢いよくドアが開いた。 「お前ら、何ゆっくりしてんだ!」 急にハイテンションのおじさんが入ってきましたとさ。 「いや、指示があるまで待っとけって言ったの、林さんじゃないですか」 俺はこのTRINITYのマネージャーである、林さんに指摘する。 「細けぇ事には気にすんな!」 まあこの人もあの社長の部下らし細かいことを気にしない性格らしい。それは体系にも表れているわけなのだが、心優しき俺は心の中でも直接的表現は控えさせていただこう。 「これは太ってるんじゃねぇ! ぽっちゃりだ!」 どっちでも同じな気がするのは、俺がデブとは縁のない体型だからだろうか? ……さて、心の中をまた読まれたな。 俺は鏡で自分の顔を変えながらポーカーフェイスを練習してる間、林さんは二人に「荷物まとめろ!」と、離婚した父が息子に話す感じに言っていた。 そして現在、廊下には見事に整列した三人の姿があった。何も知らない人が見ればさぞ軍隊に見える事だろうよ。
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