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「いや、そんなもんくらいでは――」
「高級焼肉店だぞ!」
「行きましょう」
たまには交流もわるくない。
というわけで焼肉屋に来たわけだが。
肉はとろけるように上手く、キャベツはしゃっきしゃき。この上手さには秘密がありそうですね~。
……なんて事を、くだらないリポーターみたいに言わないといけない場面もこれから出てくるのだろうか? すごく嫌なんだが。
まあそれはそうとして、俺はカウンターで一人寂しく炭酸飲料を飲んでいた。
テーブルの方を見ると、普段テレビの中で見る人気アイドル達が俺のお仲間となるはずの二人と盛り上がっている。
……前言撤回。もしかしたら、本当に友達かもしれないな、うん。
勘なんてものは、当てにならないもんだ。
「――ふぅ~」
思わずため息。
やっぱりこういう所には気の合う友達と来るべきである。
さっき高級らしい肉を食べている時には平面でしか見たことない人に話し掛けられ、緊張で味覚が狂って、一時間噛み続けたガムみたいな味だった。
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