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「あ、 相島、真澄ですけど……」
「いや、名前じゃなくてだな……悪い。言い方が悪かった。えーっとな……」
ボキャブラリ少ないな、俺。
「あ~……お前って何者?」
もっと上手く言えた気もしないでもないが、まあいいだろ。俺の小さい脳ではこれが限界だ。
質問の意味を理解してくれたのか、少女ははにかみながら、
「スパイなんです!」
「…………そんなわけねーだろ」
軽く迷ったが、ボケという判断を下して軽く頭を叩く。と、
「エヘヘ~。 ツッコミ貰いました~」
何故か幸せそうな笑顔を浮かべる女子――まあ今度から相島と呼ばせてもらおう――を見て、俺は軽く頬が引き攣るのを感じる。軽くひいた。
「そういうボケはいいから。だから俺が聞いてるのは――」
「私、彼女はいません!」
「そんなことは誰も聞いてないし、お前女子だろ。……そうか、まあ俺は否定しないよ、世の中にはいろんな人がいるもんな」
「違います! ボケですから、そんな素の反応しないでください!」
「……自分に嘘をつきなって。素直が一番だぞ」
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