始まりはいつも突然に

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「わたしは素直な普通の少女です!」 若干涙目なので、話題を変えて本来聞きたかった質問を再度する。 「……相島って、俺テレ――」 「相島じゃありません! アイスクリーマー・島と呼んで下さい!」 「どこの売れない芸人だ」 「エへヘ」 「………………」 ……さっきの涙目は消え失せて、いまや砂漠の地面のようにカラカラである。 でもって律儀に突っ込む俺も俺だな。将来芸人とかはどうだろうか。 半ば本気でNSC吉本育成所――間違えてても気にするな――に入る事を考え、そんなに甘い世界じゃない、そんな生半可な思いで入るってもバイト生活になるだけだ。と、何故か厳しめに現実を考えていると、 「さて、ボケは置いといて、真剣に話しましょうか」 相島が笑顔のまま言った。
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