始まりはいつも突然に

35/70

5341人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
「いや、別に真剣な話って事もないんだが――」 「真剣な話、しましょう」 相変わらずの笑顔で言う相島。 その笑顔の意味を理解しかねるが、とりあえず気になっていた質問をする事にする。 「……あのさ、相島ってテレビで見た事ない気がするんだが、アイドルなのか?」 こんなに若かったら社員って事もないだろうし。しかも正直、俺の主観ではアイドル以上にかわいい気がする。 「あ~、私はですね……まだ公の場には出てませんけど、次に出る新ユニットに内定してるんです」 「新ユニット?」 「はい。名前は決まってませんけど。多分……5月ぐらいに発表されると思いますよ」 「ふーん」 つまり、俺の方が先輩……ってわけじゃないか。俺の芸歴二週間だし。 すると突然相島は、これから高校の入試の結果を見に行くような気負った顔をして、 「私も話があるんです!」
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5341人が本棚に入れています
本棚に追加