始まりはいつも突然に

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いや。 そうか、俺あるじゃないか。芸名にも本名にもついてる名前。 「俺の事は『圭』って呼んでくれ」 「圭……ですか?」 「それだったら問題ない気がする」 「じゃあKさんと呼ばせてもらいますね」 若干イントネーションが間違って気がする。モザイクがかかりながらインタビューされてる人じゃないんだぞ、俺は。 と、心な中でツッコむ。なんかボケじゃない可能性もあるし。 ……少し切ない顔をしてる相島なんか知らない。少し罪悪感がわいたが、今更である。 「じゃあ、圭さん――」 俺はその時、大きな声が上がった向こうのテーブルが気になって見てみた。 いつもテレビの中でしか見た事のない人達が盛り上がってる光景を見て、若干優越感に浸る。普通の生活をしてたら絶対見れない光景だ。 ……案外、この刺激たっぷりな生活も悪くない。 と、壮大に意識を相島から逸らしてても、その衝撃的な一言を聞き逃す事はなかった。 「――私と、コンビを組んで下さい」
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