始まりはいつも突然に

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「…………」 「…………」 俺は頭を下げてる相島の頭のてっぺんを見ながら言葉の意味を考えてみる。 あ~、確かコンビとか組むとか言う単語が出てきたな。まあ、それで連想して頭から浮かび上がってくるものは一つしかない。 が、それを相島が言ってるという事実が、にわかに信じられなくて、フリーズ。 ……まだふりーず。 「あの……駄目ですか?」 上目使いで見つめながら懇願した相島を見て、フリーズしていた体は一瞬にして溶け、そのままの勢いで本気で抱きしめかけ、そこで俺の理性までもがフリーズから溶けてしまい、抱きつくには至らなかった。残念極まりない。 とりあえず、確かめる。 「あ~、コンビっていうのは、その――」 「はい、お笑いコンビです!」 俺の連想は大正解だったらしい。なんとなく外れてほしかった気がする。 「その……お笑い、好きなのか?」 「はい、大好きです!」
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